お墓に納骨する~やり方や時期、費用、必要なものについて徹底解説~

お墓への納骨は、家族の大切な節目であり、故人を偲ぶ大切な儀式です。しかし、納骨の方法や時期、費用、必要な準備などはお墓の種類や家庭の事情によって大きく異なります。
本記事では、一般墓や納骨堂、樹木葬、永代供養墓、手元供養といった多様なお墓の納骨方法や、納骨のタイミング、当日の流れ、費用、よくある疑問まで解説します。
お墓の種類別納骨のやり方
納骨の方法は、お墓の種類によって大きく異なります。各種墓所の特徴や手順を理解しておくことで、安心して納骨を進められるでしょう。
一般墓
一般墓は、代々受け継がれる伝統的な墓所です。納骨時には、住職による開眼供養を行い、供養後に遺骨を納めます。関東地方では、地中の納骨棚に骨壺を並べ、棚がいっぱいになれば下部の土に還します。関西地方では、骨壺から遺骨を出し、御影石で囲まれたカロート(納骨室)の土に直接納める方法が一般的です。
丘カロートと呼ばれる地上型の納骨室も存在します。納骨には遺骨埋葬許可証が必要で、開閉や納骨作業は石材店に依頼することが多いです。
納骨堂
納骨堂は、屋内型の納骨施設で、寺院や霊園に設けられています。個別の扉付き納骨壇に骨壺ごと遺骨を安置するのが一般的です。納骨壇には仏壇型とロッカー型があり、仏壇型は本尊を祀るスペースも備えます。納骨堂は天候に左右されず、管理も行き届いているため、近年利用者が増えています。納骨時には、法要や読経を行うケースも多いです。
樹木葬
樹木葬は、樹木を墓標とする自然志向の納骨方法です。里山型は山林の樹木の下に、霊園型は霊園内のシンボルツリーの下に遺骨を埋葬します。遺骨は骨壺から出して布で包み、直接土中に埋める方法や骨壺ごと埋める方法があります。どちらも「土に還る」ことを重視し、自然との一体感を求める方に選ばれています。
永代供養墓、合祀墓
永代供養墓は、寺院や霊園が管理・供養を永続的に行う墓所です。納骨方法は2種類あり、最初から他の遺骨と一緒に合祀するタイプと、一定期間骨壺で個別安置した後に合祀するタイプがあります。合祀後は遺骨の取り出しや改葬ができなくなるため、慎重に検討しましょう。費用を抑えたい方や後継者がいない場合に適しています。
手元供養
手元供養は、遺骨の一部または全てを自宅で保管し、身近で供養する方法です。骨壺や専用の供養品に遺骨を納め、仏壇やリビングに置くケースが多いです。全骨収容(遺骨全てを自宅で供養)と、分骨収容(遺骨の一部のみを自宅で供養し、残りは墓所等に納骨)があります。分骨の場合でも、法律に従い正規の場所に納骨する必要があります。
納骨の時期は?いつまでにしないといけない?
納骨の時期に明確な決まりはありませんが、一般的には仏教の法要や家族の都合に合わせて選ばれることが多いです。どのタイミングで納骨するかは、宗教的な意味合いや心の整理、そしてお墓の準備状況などを考慮して決めましょう。
四十九日
四十九日法要は、亡くなった日から数えて49日目に行われる仏教の重要な節目です。仏教では、故人が亡くなった後、7日ごとに裁きを受け、49日目にどの世界に生まれ変わるか決まるとされています。
この日を「忌明け」と呼び、遺族が日常生活に戻る区切りともされます。すでにお墓や納骨堂の準備が整っている場合、四十九日法要の際に納骨式を行うのが最も一般的です。ただし、新しくお墓を建てる場合は、49日までに完成しないことも多いため、無理にこの日にこだわる必要はありません。
百箇日法要
四十九日法要に間に合わなかった場合や、まだ気持ちの整理がつかない場合には、百箇日法要で納骨を行う方も多いです。百箇日は命日から100日目に行われ、「卒哭忌(そっこくき)」とも呼ばれます。
これは「泣いて過ごす日々から卒業し、それぞれの生活に戻る」という意味が込められています。お墓の準備や家族の都合などで四十九日に納骨できなかった場合、百箇日は気持ちの整理がつきやすく、落ち着いて納骨できるタイミングといえるでしょう。
一周忌
一周忌は、故人が亡くなってから1年目の命日に行う法要です。四十九日や百箇日に納骨できなかった場合や、新しいお墓の建設が間に合わなかった場合に、一周忌を納骨のタイミングとする家庭も多く見られます。
一周忌は親族が集まりやすい時期であり、法要と納骨を同時に行うことで、準備や負担を軽減できます。また、1年という時間が経過することで、遺族の心も落ち着きやすい点が選ばれる理由です。
三回忌
三回忌は、亡くなってから2年目の命日に行う法要です。四十九日や一周忌で納骨できなかった場合、三回忌を目安に納骨することもあります。お墓の準備や家族の事情などで納骨が遅れる場合でも、三回忌までに納骨を済ませるケースが多いです。三回忌は3年目ではなく2年目に行う点にも注意しましょう。
なお、納骨の時期は家庭や事情によって異なります。無理に急ぐ必要はありませんので、ご家族の気持ちや準備状況に合わせて、納得できるタイミングを選んでください。
納骨にかかる費用は?
納骨にかかる費用は、依頼方法や墓所の種類によって大きく異なります。事前に相場を把握しておくと安心です。
業者に依頼する場合
石材店などの専門業者に納骨を依頼する場合、費用の目安は約10万円です。内訳として、まずは石材店への作業料約7万円です。
僧侶のお布施は、式場での読経、墓前での読経、墓石の開眼等がある場合5万円からが相場です。僧侶と一緒に会食しない場合は別途お膳料を5,000円〜包むのが一般的です。
墓誌への彫刻やお供え物、引き出物なども別途必要となります。法要や会食を含めると、総額は25万円程度になることもあります。
納骨式当日に必要なものは?
納骨式を滞りなく進めるためには、必要な持ち物を事前に準備しておきましょう。
遺骨、埋葬許可証
納骨式の主役は遺骨です。火葬場から直接持参する場合は忘れにくいですが、自宅で保管している場合は特に注意しましょう。埋葬許可証は、火葬場で受け取る「火葬許可書」に「火葬執行済」と記載してもらったものです。これがないと納骨できないため、紛失しないよう大切に保管してください。
お墓への供花やお供え物、お線香
故人を偲ぶために、花や果物、故人が好きだった品などを用意します。食べ物は動物に荒らされることがあるので、式後は持ち帰るのがマナーです。宗教や地域によっては卒塔婆を用意する場合もあり、費用は3,000円〜1万円程度です。
お寺へのお布施やお車代
僧侶に読経や法要を依頼する場合は、お布施の準備が必要です。相場は3万円〜10万円ほどで、法要の有無や地域によって異なります。石材店への作業料もあわせて用意しましょう。服装は黒やグレーなど落ち着いた色が基本で、四十九日までは喪服が推奨されます。
納骨式当日の流れは?
納骨式当日は、まず僧侶や導師による読経や法要を行い、故人の冥福を祈ります。その後、遺骨を納骨室や納骨壇に納め、参列者が順番に焼香をして故人を偲びます。納骨が終わった後は、お墓の前で手を合わせて合掌し、全員でお別れの気持ちを伝えます。
式が終了したら、場所を移して会食(精進落とし)を行うのが一般的な流れです。宗派や地域によって細かな違いはありますが、事前に流れや持ち物を確認しておくことで、当日も落ち着いて対応できるでしょう。
納骨に関するよくある質問
納骨に関しては、手順や保管方法について多くの疑問が寄せられます。正しい知識を持つことで、安心して供養を進められるでしょう。
納骨室の開け方は?
納骨室(カロート)の開閉は、石材店に依頼するのが一般的です。重い石を動かす必要があり、事故防止のためにも専門業者に任せるのが安全です。自分で行う場合は、事前に墓地管理者に確認しましょう。
遺骨を納骨しないで家に置くのは問題ないの?
法律上、納骨の期限は定められていません。遺骨を自宅で保管しても問題ありません。仏教の教義上も、納骨しないからといって故人が成仏できないということはありません。手元供養や自宅安置も選択肢の一つです。
まとめ
納骨はお墓の種類や家族の事情によって方法や時期が異なり、正しい知識と準備が安心につながります。本記事では、納骨に関する基礎から実践的なポイントまでを詳しく解説しました。
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