家族のみで納骨式を行う流れ!費用やお坊さんを呼ばない、会食なし、ひとりで行う場合も解説

近年、家族のみで納骨式を行うご家庭が増えています。その背景にはさまざまな要因が挙げられます。
そこで、本記事では、家族だけの納骨式が選ばれる理由や具体的な流れ、マナーや注意点まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。
家族のみ納骨式が増えている理由
現代社会では、家族のみで納骨式を行うケースが急増しています。
背景には、家族構成の変化や価値観の多様化、そして社会情勢の影響が複雑に絡み合っています。
少人数化・核家族化の影響
日本では、核家族化や少子高齢化が進み、親族が一堂に会する機会が減少しました。
かつては三世代同居や親戚同士のつながりが強く、法要や納骨式には多くの親族や知人が参列するのが一般的でした。
しかし、現代は遠方に住む家族が増え、親族同士の物理的な距離が広がっています。
無宗教やシンプル志向の広がり
近年、宗教にとらわれない生き方や、シンプルな暮らしを重視する人が増えています。
無宗教の場合、納骨の時期や方法に決まりがなく、家族の都合や気持ちを最優先することができます。
参列者の自由度とトラブル回避
家族のみで納骨式を行う利点は、参列者の負担を減らせる点です。
遠方に住む親族や高齢の親族に無理をさせず、家族の都合に合わせて日程を決められます。
また、「誰を招待するか」「どこまで声をかけるか」といった人間関係のトラブルや、しきたりをめぐる意見の食い違いも回避しやすくなります。
家族のみ納骨式のメリット・デメリット
家族のみで納骨式を行うメリットは、準備や進行が簡素になり、費用も抑えられる点です。
家族の気持ちに寄り添った、落ち着いた雰囲気で故人を偲べます。
一方で、親族や友人に事前連絡をしないと「参列したかった」と不満が生じることもあり、配慮が必要です。
また、無宗教やシンプル志向の場合、親族間で意見が分かれる場合もあるため、事前の話し合いが大切です。
家族のみで納骨式を行う場合の流れ

家族だけで納骨式を行う場合、準備から当日の進行までをスムーズに進めるためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
納骨式当日までの準備
まずは納骨式当日までの準備について解説します。
日程・場所の決定と菩提寺・霊園への連絡
まず、納骨式の日程と場所を決めます。
菩提寺や霊園がある場合は、必ず事前に連絡し、僧侶や管理者の予定を確認します。
納骨式は四十九日法要や一周忌など、他の法要と同時に行うことが多いですが、家族の都合で日程を決めても問題ありません。
霊園や納骨堂によっては、事前予約や使用申請が必要な場合もあるため、早めの確認が重要です。
石材店への字堀・お墓開閉依頼と費用
お墓に納骨する場合は、石材店に墓石の開閉や墓誌への戒名・名前の彫刻を依頼します。
墓石の蓋は重く、専門業者による作業が必要です。
納骨作業料は2万〜3万円、墓誌への彫刻料は1名あたり4万円前後が相場です。
遺骨埋葬許可証の準備
納骨には「埋葬許可証」が必須です。
埋葬許可証は、役所の戸籍課へ死亡診断書を提出した際に発行されます。
火葬後に埋葬許可証の裏に火葬執行者が「火葬済」の捺印をすると、埋葬許可証として扱われます。通常は骨壺と一緒に保管します。
万一紛失した場合は、市区町村役場で再発行が可能ですが、手続きに手間がかかるため簡単ではありません。
必ずご遺骨と一緒に保管をしてください。
埋葬許可証がないと納骨できないため、事前に確認してください。
当日の流れ
当日は、施主や家族が墓前に集合します。僧侶を呼ぶ場合は読経があり、その後、石材店が墓石を開けて納骨します。
納骨後、再度読経や焼香を行い、式が終了します。
式後に会食を行う場合もありますが、必須ではありません。
お坊さんを呼ぶ・呼ばないの違い
僧侶を呼ぶ場合は、読経や焼香など仏教儀式に則った方法で行います。
お布施や御膳料、お車代などが必要です。
僧侶を呼ばない場合は、家族のみで静かに納骨を行いますが、菩提寺がある場合は必ず事前に相談し、無断で省略しないようにしましょう。
家族のみ納骨式における香典・お供え・服装マナー
家族のみで納骨式を行う場合でも、最低限のマナーや作法を守ることが大切です。
香典やお供え、服装など、家族だけの場だからこそ配慮したいポイントを解説します。
香典の扱い
家族のみの納骨式でも、香典は用意するのが一般的なマナーです。金額の相場は1万〜5万程度です。
表書きは、宗派によって異なりますが、「御霊前」・「御仏前」・「玉串料」・「御花代」が一般的です。
受付がなければ遺族代表に直接手渡します。
家族間で香典を省略する場合もありますが、事前に話し合い、全員でルールを統一しておくとトラブルを防げます。
お供え物の選び方
お供え物は、施主・参列者ともに生花や果物、線香、お酒などが一般的です。
お菓子は常温保存できるもの、果物は日持ちする梨やりんごなどが選ばれます。
お酒は宗派によっては避けた方がよい場合もあるため、事前に確認しましょう。
お供え物にはのし紙をつけ、遺族の代表者に手渡すのがマナーです。
家族のみの場合でも、故人が好きだった品を選ぶなど、気持ちを込めたお供えが大切です。
服装・持ち物
納骨式の服装は、四十九日までなら喪服が基本です。
男性はブラックスーツ、女性は黒のアンサンブルやワンピースが一般的です。
四十九日以降は地味な平服でも差し支えありませんが、参列者同士で服装の格を合わせておくと安心です。
バッグや靴は黒でまとめ、アクセサリーは控えめなものにしましょう。
納骨式と49日法要を一緒に行う場合
49日法要と納骨式を同時に行う家庭が増えています。
宗教的な意味合いと実務的な利便性の両面から、多くの遺族がこの選択をしています。
49日と納骨式を同時開催する理由
49日は仏教において、故人様がどこの世界に行くのかが決まる節目の日です。
この日に納骨式を合わせることで、遺族の心の整理がつきやすく、法要と納骨を一度に済ませる合理性もあります。
多くの日本人が49日に納骨を選ぶのは、宗教的な意味合いと実務的な利便性の両面からです。
親族の集まりやすさや、法要と納骨を一度に済ませることで、準備や費用の負担を軽減できるのも大きな理由です。
当日の流れと注意点
当日は、法要式場で僧侶による読経・焼香を行った後、全員で墓前に移動して納骨式を行います。
納骨後は会食を設ける場合もありますが、省略することも可能です。
49日法要と納骨式を同時に行う場合は、日程や場所、僧侶や石材店の手配など、早めの準備が大切です。
バッグや靴は黒でまとめ、アクセサリーはパールなど控えめなものにしましょう。
納骨式に参列しない孫・遠方親族の対応

納骨式に孫や遠方の親族が参列できない場合、どのように対応すればよいか悩む方も多いでしょう。
現代の家族事情や社会背景をふまえ、欠席する場合の配慮や連絡方法について解説します。
孫や親族が参列できない場合の考え方
納骨式への孫や親族の参加は必須ではありません。
家族の事情や遠方に住んでいる場合、無理に出席できないときもあるでしょう。
現代では、特に高齢者や小さな子どもがいる家庭、仕事や学業で日程調整が難しい場合は、欠席しても問題ありません。
家族間で理解し合い、無理のない形で納骨式を行うことが大切です。
参列しない場合の連絡・フォロー
参列できない場合は、事前にその旨を説明し、誤解やトラブルを防ぐ配慮が求められます。
香典やお供えを郵送する場合は、現金書留を利用し、納骨式前に届くよう手配しましょう。
お悔やみの手紙を添えると、遺族への心遣いが伝わります。
事前説明と適切なフォローで、円滑な関係を保てます。
会食なし・ひとりで納骨式を行う場合の注意点
近年、家族のみの納骨式に加え、会食を省略したり、ひとりで納骨式を行ったりするケースも増えています。
ここでは、会食なしや単独で納骨する際の注意点と心構えについて解説します。
会食なしの納骨式
納骨式で会食を省略する場合は、事前に参列者へその旨を伝えます。
僧侶が会食を辞退した場合は、御膳料(5,000〜1万円程度)を別途包むのがマナーです。
返礼品や持ち帰り用の弁当を用意する配慮も大切です。
家族のみの納骨式では、進行を簡素にし、負担を軽減できます。
会食を省略することで、準備や費用の負担が減り、家族の気持ちに寄り添った式が実現しやすくなります。
参列者の都合や体調に配慮し、無理のない進行を心がけましょう。
ひとりで納骨式を行う場合
ひとりで納骨式を行う場合は、霊園や管理者に事前連絡し、納骨作業の手配を行います。
ひとりで納骨式を行う場合でも、最低限のマナーや手順を守り、無理のない範囲で心を込めて執り行いましょう。
まとめ
家族のみで納骨式を行うケースが増えている背景には、少人数化や無宗教志向、トラブル回避への配慮があります。
準備や進行、マナーを押さえれば、家族だけでも安心して納骨式を執り行えます。
香典やお供え、服装のマナーを守り、参列できない親族への配慮も忘れずに行いましょう。
関内陵苑では、故人様の大切な節目に合わせてご法要の案内をしています。
ご法要をご検討の際は、お気軽にご相談ください。