法要・法事の挨拶を徹底解説!一周忌や七回忌、お坊さんへの挨拶などを紹介

法要や法事における挨拶で、内容やマナーなどに悩んでいる施主の方もいるのではないでしょうか。
施主として適切な挨拶を行うためには、基本的な構成やマナーを理解し、各場面に応じた言葉選びが必要です。
本記事では、法要の挨拶に関する基礎知識から実践的な例文まで解説していきます。
法要・法事の挨拶とは?

法要・法事の挨拶は、故人への供養と参列者への感謝を表現する重要な儀式の一部です。
施主が行う挨拶には、参列者への感謝、故人への思い、今後の支援依頼という3つの要素が含まれます。
法要の基本的な流れでは、まず僧侶が入場した後に、施主の法要開始を告げる挨拶で始まります。
そして、読経や焼香、法話などが終わって僧侶が退場したら、施主の挨拶で締めます。
会食がある場合は全部で4回、会食がない場合は2回の挨拶が必要です。
挨拶のタイミングは、法要開始時は1分以内で手短に、中締めでは会食のお知らせを盛り込み3分以内、会食開始の挨拶も1分以内、最後の締めの挨拶は5分以内が理想的とされています。
法要・法事の挨拶の基本構成と注意点
法要や法事の挨拶について、適切な構成や言葉遣いを知ると参列者に心のこもった気持ちが伝わります。
挨拶文・挨拶状の基本構成
挨拶文や挨拶状は、形式を守ることで誠意が伝わりやすくなります。
ここでは、法要・法事で用いる挨拶文の基本的な流れを説明します。
頭語・安否の挨拶・本題・締めの挨拶
法要や法事の挨拶は、開始時・会食開始時・中締め・終了時など複数の場面で求められます。
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参列者や僧侶への感謝の言葉
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安否の挨拶や出席へのお礼
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法要の趣旨や故人への思いの簡単な説明
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今後の支援や変わらぬご厚誼のお願い
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締めの言葉や会食案内(必要に応じて)
それぞれの場面において、挨拶の内容を検討していきましょう。
避けるべき表現
法要の挨拶では、不幸が重なることを連想させる「重ね重ね」「またまた」などの重ね言葉や、「引き続き」「再び」といった表現は避けます。
また、「死亡」「死ぬ」など直接的な表現は「ご逝去」「生前」などに言い換えましょう。
忌み言葉や不吉な表現は控えることがマナーです。
表記上のマナー
法要の挨拶状は縦書きが基本で、句読点を用いずに作成します。
文章は一文ごとに改行し、簡潔で丁寧な表現を心がけましょう。
カジュアルな案内の場合は横書きもありますが、正式な場では縦書きがふさわしいとされています。
法要・法事のシーン別挨拶例文集

法要では複数のタイミングで挨拶が必要となり、それぞれに適した内容があります。
各場面での挨拶例文を参考に、心のこもった言葉を選びましょう。
法事開始時の挨拶
法事開始時の挨拶は参列者への感謝と法要の開始を告げる簡潔な内容にします。
長時間話すと式の進行を妨げるため、手短にまとめることがポイントです。
参列者・お坊さんへの挨拶例文
以下のように参列への感謝、法要の内容、僧侶への依頼を含めた構成が基本となります。
本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。 これより父・○○の一周忌法要を始めたいと思います。 それでは△△寺・ご住職、よろしくお願いいたします。 |
法要締めの挨拶
法要終了時の挨拶では、参列への感謝、法要についてや故人への想い、今後の支援のお願いを込めます。
お斎がある場合はその案内も含めておきます。
本日はお忙しい中、父・○○の一周忌法要にお集まりいただきありがとうございました。 おかげさまで、一周忌の法要を執り行うことができました。心より感謝申し上げます。 |
法事の会食(お斎)開始・締めの挨拶
お斎開始の挨拶は、参列の感謝、故人への想いや回顧などを含めて行いましょう。
本日は、ささやかではございますがお食事の席をご用意いたしました。 ○○の思い出話などを語り合いながら、お時間の許す限りゆっくりお召し上がりいただければと思います。 |
お斎締めの挨拶では、参列への感謝、今後の支援のお願いなどを入れましょう。
皆さま、本日はお集まりいただきありがとうございました。 名残は尽きませんが、本日はこの辺りでお開きとさせていただきたいと思います。 |
節目の法要・法事における挨拶の例文
一周忌や七回忌などの節目の法要では、年数に応じた配慮が必要です。
時間の経過とともに変化する遺族の心境を反映した挨拶を心がけましょう。
一周忌
一周忌では故人への思いを込めながら、参列者への感謝を表現します。
本日はお忙しい中、故○○の一周忌法要にご参列を賜り、誠にありがとうございます。 ただいまより、故○○の一周忌法要を始めさせていただきます。 |
法要終了時には次のような時間の経過を表現する言葉を含めるとよいでしょう。
父が旅立っていき、あっという間の一年間でした。 少しずつではありますが、私たち家族も前に進んでおります。 |
七回忌
七回忌では身内だけの法要となることも多く、より親しみやすい挨拶が適しています。
本日はご多忙のなか、亡き○○の七回忌法要に参列いただき誠にありがとうございます。 これより七回忌法要を執り行いたいと存じます。 |
年数が経った法要では、故人のエピソードを交えた挨拶やシリアスになりすぎない配慮が大切です。
本日は、亡き○○の七回忌にお越しいただきありがとうございました。 皆様のおかげで無事に七回忌法要を終えられましたこと、改めて御礼申し上げます。 |
法要・法事の挨拶状・案内状の書き方と例文

法要の挨拶状は参列者への感謝や法要の報告を伝える文書です。
適切な書式とマナーを守って作成する必要があります。
書き方
法要の挨拶状は縦書きでの作成が基本で、頭語として「謹啓」を使用します。
時候の挨拶は記載せず、句読点も使用しません。
文面には誰の法要なのか、日時、参列可否などを記載します。
例文
挨拶状や案内状では、法要の開催案内、日時・場所の詳細、出欠確認の依頼を含めた構成とします。
謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます さて来る○月○日をもちまして亡父○○の一周忌を迎えることとなりました つきましては左記により法要を営みたく存じますのでご多忙中恐縮ではございますがご参列賜りますようご案内申し上げます 謹白 記 日時 令和○年○月○日(○曜日)午前○時より なお法要後ささやかながらお食事の席をご用意いたしております 令和○年○月○日 施主 ○○○○ |
※案内状は縦書きがマナー
参列者として法事に行った時の挨拶

参列者として法事に伺う際は、施主への配慮を示す適切な挨拶が求められます。
故人への哀悼の意と遺族への心遣いを表現しましょう。
施主・遺族への挨拶例
会場に到着し施主に会った際は、招待への感謝と体調への気遣いを示します。
このたびは、お招きいただき誠にありがとうございます。 |
立ち居振る舞いとマナー
参列者は受付で挨拶の言葉を述べ、丁寧に頭を下げて一礼します。
声の調子や大きさは控えめにし、故人が亡くなってから日が浅い場合は施主や家族の体調を気遣います。
スピーチを頼まれた場合の例文
献杯を依頼された場合は断らずに引き受けるのがマナーです。
故人の弟の○○と申します。ご指名ですので、挨拶させていただきます。 |
1分から長くても3分程度にまとめ、故人との思い出話を披露して「献杯」で締めくくります。
法要の挨拶に関するよくある質問Q&A
法要の挨拶について多くの方が抱く疑問や不安にお答えします。
適切な対処法を知っておくことで、安心して挨拶に臨めるでしょう。
挨拶で困った時の対処法は?
法事の挨拶では、内容を頭に入れておくことが望ましいですが、どうしても覚えられない場合はメモを読みながら挨拶しても構いません。
ただし棒読みにならないよう注意し、特に感謝の言葉を述べる際はメモから視線を外して参列者の方を向くことが大切です。
宗派や地域による違いは?
基本的な挨拶の構成は宗派や地域によって大きく変わりませんが、細かな作法や表現には違いがある場合があります。
不安な場合は菩提寺の僧侶や地域の年長者に相談することをおすすめします。
身内の法要の時の挨拶は簡単でも可能?
身内だけの法要では、より親しみやすい挨拶が適しています。
七回忌以降の法要では参列者も限られるため、堅苦しすぎない配慮が必要です。
ただし基本的な感謝の気持ちは必ず伝えるようにしましょう。
まとめ
法要の挨拶は故人への供養と参列者への感謝を表現する重要な役割を担います。
基本的な構成やマナーを理解し、各場面に応じた適切な言葉選びが大切です。
関内陵苑では、故人様の大切な節目に苑内で法要を行えます。
事前準備などのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。