お墓の相続放棄はできる?承継者は誰?対処方法や墓じまい、トラブルも解説

2025-09-30

近年、相続問題をめぐって財産や不動産の放棄を選ぶ人が増えています。

その一方で「お墓も相続放棄できるのではないか」と考える方もいます。

しかし、法律などの関係もあり、簡単に放棄できないこともあります。

本記事では、お墓の相続放棄ができない理由や承継者の決まり方、承継が難しい場合の対処方法を分かりやすく解説していきます。

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お墓の相続放棄はできない

相続財産を放棄すれば「お墓も引き継がなくて済むのでは」と考える方は少なくありません。

しかし法律上、お墓は通常の財産とは区別され、特別な取り扱いがされています。

結論としては、相続放棄をしても承継を避けることができません。

お墓は不動産や預金のように放棄できる財産ではなく、承継の仕組みに従って引き継がれるものなのです。

お墓は祭祀財産となり相続財産とはならない

お墓や仏壇、位牌といった「祭祀財産」は、故人や先祖を供養するための特別な財産であり、通常の相続財産には含まれません。

そのため、相続放棄をしても「お墓を受け継がない」ということにはならず、誰かが承継する必要があります。

祭祀財産は分割協議の対象にもならず、特定の承継者に引き継がれる仕組みになっています。

参考:東京弁護士会

お墓の承継者(相続者)は誰になる?

お墓は民法上「祭祀財産」として特別に定められ、一般的な財産のように分割相続されるものではありません。

ここでは祭祀承継者とは何か、その決め方について詳しく説明します。

祭祀承継者が相続する

民法897条では「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と定められています。

これがいわゆる祭祀承継者であり、お墓を含む祭祀財産を一括して引き継ぐ立場です。

相続放棄をしても祭祀承継者としての地位は失われないため、特別に選任された一人が責任を担います。

参考:東京弁護士会

祭祀承継者とは

祭祀承継者とは、家族や先祖を供養し続ける役割を持つ人のことです。

相続人であるか否かは問われず、親族や養子、場合によっては法的に血縁関係のない人が承継者になるケースもあります。

重要なのは、承継後に供養を続ける意思と能力があるかどうかです。

そのため、実際には「誰が最も現実的に供養を担えるか」を基準に選ばれることが多いです。

祭祀承継者はどのように決まる?

承継者を決める方法はいくつかあり、故人の意思、家族の合意、または裁判所の判断によって最終的に確定します。

故人の遺言で決まる

最も強い効力を持つのは故人が遺言で指定している場合です。

「長男に承継させる」「特定の親族に任せる」などと明示すれば、その意思が尊重されます。

遺言がある場合、親族間の話し合いよりも優先され、裁判所も故人の意思を重視します。

親族間の相談で決まる

遺言がない場合、親族同士の話し合いで承継者を決定します。

かつては「長男が継ぐ」という慣習が一般的でしたが、現在では必ずしも長男に限らず、近くに住んでいて管理がしやすい人や供養を積極的に担える人が選ばれる傾向にあります。

親族全員の合意を得られることが円満な承継につながります。

家庭裁判所の調停や審判で決まる

親族間で合意できない場合、家庭裁判所に調停や審判を申し立てて承継者を決めます。

裁判所はこれまで供養を行ってきた実績や居住地の近さ、経済的負担の可否などを考慮し、最も妥当とされる人を承継者に指定します。

争いが長引くと供養そのものが滞るため、早めの解決が望ましいです。

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お墓の相続や承継が難しいときの対処方法

少子高齢化や核家族化の影響により、お墓を受け継ぐ人がいない、あるいは承継が難しいというケースは増えています。

そのままにしておくと管理不全になり、周囲へ迷惑をかけてしまう恐れもあるため、早めに対処法を検討することが重要です。

ここでは代表的な対応策を紹介します。

墓じまいをする

お墓を承継できない場合の選択肢として最も増えているのが墓じまいです。

墓石を撤去し、更地に戻したうえで遺骨を取り出し、永代供養墓や納骨堂に移します。

寺院墓地であれば「離檀料」が発生することもありますが、今後の管理負担をなくし、将来の不安を解消できる手段です。

費用は墓石の規模や地域によって差があるものの、100万円前後が目安とされています。

承継するお墓が遠方にある場合は移転する

承継自体は可能でも、遠方にあって定期的にお参りできない場合は、お墓を移転(改葬)する方法があります。

現在の墓所から遺骨を取り出し、希望する場所に新たなお墓や納骨堂を用意します。

この際には「改葬許可証」が必要で、自治体の許可を得る手続きを経なければなりません。

移転費用には墓石の撤去、新設費用、法要のお布施などが含まれ、200万円程度に及ぶこともありますが、生活圏内にお墓を移せるため日々の供養がしやすくなります。

さまざまな選択肢や費用面を家族で話し合う

承継が難しいからといってすぐに墓じまいを選ぶ必要はありません。

近年は永代供養墓や納骨堂など選択肢が多様化しており、ライフスタイルや家族構成に合わせて柔軟に選べます。

永代供養墓は契約によっては、寺院や霊園が供養を継続してくれるので、承継者不在でも安心できる点が魅力です。

また、納骨堂であれば屋内型施設が多く、天候に左右されずお参りできます。

こうした選択には費用が伴うため、事前に見積もりを取り、家族全員で話し合って決めることが大切です。

承継者に過度な負担をかけないためにも、早めに具体的な方法を検討することが望まれます。

お墓の相続放棄でよくある質問

お墓の相続は通常の財産相続と異なるため、相続放棄と同じ感覚で処理できるわけではなく、多くの方が疑問や不安を抱えます。

ここでは、よくある質問を取り上げ、対応策や注意点を解説します。

祭祀承継者である長男がお墓の相続や管理を放棄したときの対処方法は?

民法では、原則として祭祀承継者は慣習に基づいて決まります。

しかし、長男が承継を希望しない場合には親族間での話し合いが必要です。

遺族の合意により別の親族が承継することも可能で、合意が得られない場合は家庭裁判所の調停や審判で決められます。

承継を望まないことが早めに分かった段階で、親族間で候補者を決めることが重要です。

お墓の相続でよくあるトラブルは?

お墓は「誰が継ぐか」で親族間の意見が分かれやすく、トラブルに発展する例があります。

特に相続財産と混同して遺産分割の対象になると誤解されるケースや、維持費用の負担を巡って対立することが多いです。

祭祀承継者は1人に決まるため、複数人で分け合うことができない点も注意が必要です。

生前に承継者を指定しておくことがトラブル防止の有効策です。

お墓を相続したくないときはどうすればいい?

相続放棄によってお墓だけを拒否することはできません。

承継を避けたい場合は、親族内で別の承継者を定めてもらうか、墓じまいを検討する方法があります。

墓じまいを行えば、遺骨を永代供養墓や納骨堂に移し、承継の負担を解消できます。

早めに親族や寺院・霊園と相談し、承継に関する負担を軽減する準備を進めることが大切です。

仏壇や仏具も相続放棄できる?

仏壇や位牌、仏具も祭祀財産とされるため、原則として承継者が引き継ぎます。

相続放棄の対象にはならず、これらを引き受ける人を親族間で決める必要があります。

ただし、維持が難しい場合には寺院へ寄付したり、供養後に処分してもらったりする方法もあります。

祭祀財産として尊重しつつ、現実的に管理できる手段を選ぶことが望まれます。

金でできた仏具を相続放棄する際に売却してもいい?

金や銀で作られた仏具は、祭祀財産であると同時に財産的価値を持つ場合があります。

この場合は相続財産とみなされることもあり、換金した場合には相続人間で分割の対象となる可能性があります。

売却前に専門家へ相談し、祭祀財産か相続財産かを明確にしておきましょう。

安易に処分すると親族間でトラブルに発展する恐れがあるため、注意が必要です。

まとめ

お墓の承継は相続財産とは異なる扱いを受けるため、法律上の理解と家族間の話し合いが欠かせません。

承継者の負担が大きい場合には、墓じまいや移転といった方法も選択肢のひとつです。

関内陵苑の納骨堂は屋内型で天候に左右されず、契約期限もないため代々にわたって供養を続けられます。

管理の手間を抑えつつ、永続的に大切な方をお祀りできる安心の環境が整っています。

将来を見据えた供養の方法を検討される方は、お気軽にご相談ください。

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