お墓参りの頻度はどのくらい?行く時期や避ける日、マナーまで徹底解説
お墓参りは、ご先祖様や故人を偲ぶための大切な時間です。
しかし、「どのくらいの頻度で行くべきか」「行く時期に決まりはあるのか」と悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、お墓参りの適切な頻度やおすすめの時期、基本的なマナーや作法まで解説します。
お墓参りの頻度だけではなく注意点や自分に合ったお参りの仕方など、参考にしてください。
お墓参りの頻度に決まりはある?
お墓参りの頻度について、多くの方が「年に何回か行かなければならない」といった決まりがあるのではないかと考えています。
しかし、実際にはどうなのでしょうか。
ここでは、お墓参りの頻度に関する基本的な考え方を解説します。
決まりはなく無理のないペースで良い
結論から言うと、お墓参りの頻度に厳格なルールや決まりはありません。
最も大切なのは、回数ではなく「ご先祖様や故人を敬い、感謝する気持ち」です。
年に何度も足を運ぶことが理想的かもしれませんが、現代ではお墓が遠方にあったり、仕事が忙しかったりと、頻繁にお参りするのが難しい方も多いでしょう。
大切なのは、義務感で行くことではなく、ご自身の生活に合わせて無理のないペースでお参りを続けることです。
たとえ年に一度でも、心を込めてお参りすれば、その気持ちはご先祖様に届くでしょう。
よく行く人・あまり行けない人に違いはあるか
お墓参りに行く回数によって、供養の質に優劣がつくことはありません。
頻繁にお墓を訪れることも素晴らしいことですが、それができないからといって、ご先祖様からのご加護が受けられなくなったり、故人が悲しんだりすることはないでしょう。
仏教の教えにおいても、供養で最も重視されるのは、故人を想う心です。
年に数回しか行けなくても、その一回一回を大切にし、丁寧に掃除をして静かに手を合わせる時間は、形式的に何度も訪れること以上に価値があるといえるでしょう。
お墓参りに行けない期間があっても、日常生活のなかで故人を思い出し、感謝することが何よりの供養です。
「お墓参りは一人で行ってはいけない」のは本当?
「お墓参りは一人で行くべきではない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは迷信といえます。
また、一人でのお墓参りを禁じる教えなどもありません。
この俗説が生まれた背景には、かつて墓地が人里離れた薄暗い場所にあったため、防犯上の理由から複数人での行動が推奨されたことや「悲しみは分かち合った方が良い」という考え方があったからだと推測されます。
現代では墓地も整備され、安全になっています。
一人で静かに故人と向き合う時間は、非常に尊いものです。
ご自身のタイミングでお参りしましょう。
お墓参りに行くおすすめの時期やタイミング
お墓参りは、行きたいときに行くのが一番です。
しかし、日本の文化や仏教の教えのなかでは、特にお墓参りに適しているとされる時期がいくつかあります。
ここでは、お墓参りにおすすめの時期やタイミングをご紹介します。
お彼岸
お彼岸は、春と秋の年2回あります。
春分の日と秋分の日を中日とした前後3日間を含めた合計7日間の期間を指します。
仏教では太陽が真西に沈む春分・秋分の日を、正確に西方極楽浄土の所在を明かす日として、最も仏道修行をするのに適した期間の一つとしています。
このため、お彼岸はご先祖様への感謝を伝え、供養を行うのに最適な時期とされ、古くからお墓参りをする習慣が根付いています。
家族揃って、あるいはお一人で静かにお墓を訪れ、ご先祖様との繋がりを感じてみましょう。
お盆
お盆は、ご先祖様が家に帰ってくるとされる大切な期間です。
一般的に8月13日から16日頃(地域によって異なります)がお盆にあたります。
この時期には、ご先祖様をお迎えするために、お墓を綺麗に掃除するのが習わしです。
13日の「迎え盆」にお墓参りをしてご先祖様をお迎えし、16日の「送り盆」に再びお墓を訪れてお見送りをするのが、丁寧な供養の形です。
夏の時期はご家族やご親族が集まる良い機会でもあるため、皆でお墓参りをするのに適したタイミングといえるでしょう。
命日・年末年始など家族が集まるとき
故人が亡くなった祥月命日(しょうつきめいにち)や、毎月の命日である月命日(つきめいにち)は、故人を偲ぶうえで重要な日です。
特に一周忌や三回忌などの年忌法要の際には、親族で集まってお墓参りをします。
また、年末には一年の感謝を報告し、お墓を綺麗にして新年を迎える習わしを、年始には新年の挨拶をするためにお墓参りをするご家庭も多いです。
家族が集まりやすいこれらの時期は、お墓参りをする良い機会です。
個人的な節目のとき
人生の節目に、ご先祖様へ報告と感謝を伝えるためにお墓参りをするのも、とても良い習慣です。
例えば、ご自身の進学や就職、結婚や出産といった喜ばしい出来事があったとき、お墓の前で手を合わせることで、ご先祖様も見守ってくれていると感じられるでしょう。
また、何か悩み事があるときや、大きな決断をするときに訪れると、心が落ち着き、進むべき道が見えてくるかもしれません。
思い立ったとき
これまで挙げた時期以外でも、お墓参りは「行きたい」と思い立ったときが最適なタイミングです。
天気が良いから、近くまで来たから、ふと故人を思い出したから。
そんな些細なきっかけで足を運ぶことも、立派な供養です。
形式にとらわれず、ご自身の気持ちを大切にして、故人やご先祖様との対話の時間を設けることが、供養の本質ともいえるでしょう。
お墓参りで気をつけたいこと
お墓参りでは、故人やご先祖様への敬意を表します。
訪れる際には、最低限のマナーや作法を心掛けることが大切です。
ここでは、服装から持ち物、お参りの手順まで、基本的な注意点を確認しましょう。
服装やマナーを確認する
年忌法要など特別な場合を除き、普段のお墓参りでは服装に厳格な決まりはありません。
清潔感のある落ち着いた普段着で十分です。
また、墓地は公共の場であり、他の方もお参りに来ています。
大声で騒いだり、他の区画に無断で立ち入ったりせず、静粛な態度を心掛けましょう。
お墓参りの作法や手順を確認する
お墓に着いたら、いきなり掃除を始めるのではなく、墓石に向かって一礼し、合掌します。
次に敷地内の雑草を抜き、墓石を濡らした布などで優しく拭き清めます。
このとき、硬いタワシで強く擦ると墓石を傷つける可能性があるので注意しましょう。
掃除が終わったら、花立に新しいお花を飾り、水鉢に綺麗なお水を注ぎます。
そして、お線香に火を灯して香炉に立て、改めて深く合掌し、故人やご先祖様へ感謝や報告を伝えます。
お参りでは「手を合わせるだけ」でも良いのか
お墓参りをする際、時間がなかったり、掃除道具を持っていなかったりする場合もあるでしょう。
そのような場合は「手を合わせるだけでも良いのだろうか」とためらう必要はありません。
お墓参りで最も大切なのは、故人を偲び、感謝する気持ちです。
掃除やお供えができなくても、お墓の前に立ち、静かに手を合わせるだけで、その想いは十分に伝わります。
形式よりも、心を込めて祈ることが何よりの供養です。
持参するものを用意する
お墓参りに行く際は、事前に持ち物を確認しておくとスムーズです。
- 掃除用具(雑巾、スポンジ、小さなほうき、ゴミ袋など)
- お花
- お線香
- ろうそく
- ライター(またはマッチ)
- 数珠
- 手桶とひしゃく(霊園で借りられる場合が多い)
- お供え物(故人が好きだったお菓子や果物など)
これらを準備しておけば、滞りなくお参りができます。
状況に合わせたお墓参りの方法
さまざまな事情で、お墓参りに行きたくても行けないという方もいます。
そのような場合でも、ご先祖様を供養する方法はあります。
状況に合わせたお参りの形を知っておきましょう。
遠方に住んでいるとき
お墓が故郷など遠方にある場合、頻繁に訪れるのは難しいものです。
お盆や年末年始など、帰省のタイミングを利用してお参りするのが現実的でしょう。
もし、お墓の管理が気になる場合は、近くに住む親族にお願いして、様子を見てもらったり、簡単な掃除を頼んだりするのも一つの方法です。
また、近年では、お墓の掃除やお参りを代行してくれるサービスもあります。
費用はかかりますが、どうしても行けない時には検討してみてください。
体調や事情で現地に行けないとき
ご自身の体調が優れなかったり、介護などで家を離れられなかったりと、物理的にお墓へ行けない状況もあります。
そのような場合でも、供養を諦める必要はありません。
ご自宅の仏壇に手を合わせることはもちろん、仏壇がない場合でも、お墓のある方角に向かって心の中で静かに語りかけるだけで、立派な供養です。
無理をせず、ご自身のできる範囲で供養を続けていくことが重要です。
まとめ
お墓参りの頻度に決まりはなく、大切なのはご自身のペースで故人やご先祖様を想う気持ちです。
お盆やお彼岸などの伝統的な時期はもちろん、人生の節目や思い立った時に訪れることも良い供養です。
マナーや作法を守り、心を込めて手を合わせる時間を大切にしましょう。
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