位牌の種類は2つに分類できる!素材・用途別の選び方や宗派による違いを解説

位牌を選ぶタイミングになって初めて、位牌の種類や選び方の多さに戸惑っている方がいるのではないでしょうか。
位牌は素材や用途、宗派によって違いがあるため、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
本記事では位牌の主な種類「白木位牌」「本位牌」と、細分化した素材・用途別の位牌の種類について解説します。
さらに選ぶ時の注意点やよくある質問についても紹介していきます。
位牌とは?
位牌とは故人の霊を祀るために、自宅の仏壇や寺の位牌壇に安置する木製や金属製の牌(ふだ)を指しています。
位牌に戒名や俗名、没年月日などが書かれることで、安置された位牌が誰の魂なのか、いつ亡くなったのかを、誰しもがすぐに把握できるようになっています。
位牌は遺族が供養の意を示すために重要な象徴です。
位牌は墓と同じように故人に感謝の気持ちを伝えるために必要な存在とされています。
位牌は基本的に仏壇に安置するものです。
自宅に仏壇がない場合、仏壇も合わせて購入するか、寺の位牌壇に安置してもらうかを選択する必要があります。
位牌の種類は大きく分けて2つに分類できる

位牌の種類は大きく分けると「白木位牌」「本位牌」の2つに分類できます。
2つの位牌の違いについて、理解を深めていきましょう。
白木位牌
白木位牌は、葬儀を執り行う際に祭壇に安置する位牌を指しています。
白木位牌は仮位牌とも呼ばれ、四十九日まで使用される仮の位牌とされています。
位牌から霊を抜く「魂抜き」を四十九日法要に行った後、白木位牌は単なる木の札になります。
一般的にその後、位牌は寺や仏具店で焼却に当たるお焚き上げをして、供養してもらいます。
白木位牌は葬儀社が用意してくれることが多く、遺族が手配する必要はありません。
念のため、確認しておくと安心して葬儀を執り行うことができます。
本位牌
本位牌は四十九日を終えた後、仏壇に安置される位牌を指しています。
本位牌は塗位牌や唐木位牌とも呼ばれ、デザインや形状が豊富なのが特徴です。
白木位牌とは異なり本位牌は、遺族が手配しなければなりません。
四十九日法要までに、仏壇店や寺などに依頼する必要があります。
白木位牌と比べて本位牌は、仏壇に長く安置される位牌となるため、適切な選び方を見極めることが重要です。
【素材・用途別】本位牌の種類・選び方
位牌には伝統的なものやモダンなものなど幅広く種類があります。
それぞれの素材や用途を把握して、適切な位牌を選びたいところです。
ここでは本位牌の種類について、素材・用途別に解説します。
唐木位牌
唐木位牌とは、黒檀や紫檀といった高級木材を用いて作られた本位牌を指しています。
黒檀や紫檀は重くて硬いことから、耐久性に優れているのが特徴です。
唐木位牌はシンプルで落ち着いたデザインの位牌を揃えたいといった方に適しています。
塗位牌
塗位牌とは檜や松などの木の板を漆で黒く塗った本位牌で、一般的な位牌のイメージに最も近いといえるでしょう。
塗位牌は漆によるツヤのある光沢感や、木材の美しさが引き立つ点が魅力です。
また木材でできているため、軽く取り扱いやすいことが特徴です。
塗位牌はどこまでこだわるかによって価格が大きく変化します。
例えば本漆塗りを使っているか、合成漆を使っているかによって価格は異なります。
さらに黒一色の位牌や、漆や金箔、金粉などが塗布されている位牌でも金額が変わります。
塗位牌は伝統的な仏壇に適した位牌といえます。
モダン位牌
モダン位牌は現代的でシンプルなデザインの位牌を指しています。
伝統的な位牌は黒檀や紫檀、檜などの高級木材を使うことが主流である中、モダン位牌はクリスタルガラスやアクリル、天然石、金属など多種多様な素材が使われています。
モダン位牌は素材だけでなく、カラーや仕上げも特徴的です。ホワイトやブラック、木目調など幅広く、インテリアに合わせて選ぶことができます。
したがって自宅のインテリアとマッチする位牌を探している、コンパクトな仏壇に安置したいといった方に適しています。
天然木位牌
天然木位牌は、檜や桜などの天然木を用いて作られた位牌で、表面が塗られていないのが特徴です。
素材本来の木目は一つひとつ異なるため、それぞれの顔を楽しむことができます。
木目を生かした天然木位牌は、風合いが経年変化するのが特徴です。
特に高級木材の位牌は、年月を経るごとに味わいが増し、さらなる価値を感じることがあります。
天然木は耐久性が高く、長持ちすることも魅力です。
正しいメンテナンスを行うことで、何世代にも渡って使用することも可能です。
繰り出し位牌
繰り出し位牌とは、先祖の位牌が1つにまとまっている箱型の位牌のことです。
繰り出し位牌は、前面の扉から故人の戒名が記された札板を取り出せる形状になっています。
故人の戒名が記された札板を命日の順に重ねておき、命日が過ぎたら札板を後ろに回す仕組みです。
繰り出し位牌は、複数人の位牌を1つにまとめたい方に適しています。
位牌を選ぶ際の注意点

位牌の種類や素材、用途などを紹介してきました。
その後選ぶ際に注意すべきポイントを抑えることで、正しく位牌を選ぶことが可能です。
ここでは、位牌を選ぶ際の注意点について解説します。
仏壇の大きさによって位牌のサイズを選ぶ
位牌は、仏壇の大きさによって適切なサイズを選ぶことが大切です。
仏壇の大きさによっては、位牌が安置できない可能性があるためです。
位牌は仏壇の高さや奥行き、配置すべき場所などで大きさが決まります。
たとえ位牌を仏壇に安置できたとしても「小さ過ぎる」「仏壇ギリギリのサイズになった」などサイズ感が合わないと、見た目のバランスが悪くなってしまうので、事前に仏具店や寺などへ相談すると安心です。
まずは位牌を安置する場所を決定した後に、位牌の大きさを検討すると、サイズ選びに失敗しにくくなります。
夫婦の位牌は同じサイズを選ぶ
夫婦の位牌を並べる場合、同じサイズの位牌を選びましょう。
夫婦が同じ重みで祀られている印象になることや、仏壇内でバランスが良く見えます。
仏壇の中で、夫婦の位牌が並べられる場所を検討しましょう。
夫婦で同じサイズの位牌を選ぶ以外に、2人を連名にした夫婦位牌にする選択肢もあります。
夫婦位牌は夫婦どちらかの位牌が古くなり、買い替える際に作り替えられることが多いです。
先祖の位牌とのバランスに配慮する
位牌を選ぶ際の注意点として、先祖の位牌とのバランスに配慮することが大切です。
位牌のバランスを保つことで、供養が行き届きやすい上に、仏壇の中での調和を大切にできるからです。
サイズに関しては、先祖の位牌と比べて、同じくらいのサイズか小さなサイズが適していると言われています。
その理由は先祖への敬意を表すためであり、絶対にするべきことではありません。
デザインに関しては、先祖の位牌と新しい位牌に統一感を持たせましょう。
位牌の種類に関するよくある質問
最後に位牌の種類に関するよくある質問を紹介します。
位牌の種類への理解を、より深めていきましょう。
位牌を作らないとどうなる?
位牌を作らなくても問題のないケースはいくつかあります。
浄土真宗は、位牌や供養が必要ないとされています。
亡くなるとすぐに成仏するという考えがあるためです。
また無宗教の場合、位牌を作る必要はありません。
故人への思いを示すことができれば、形にこだわる必要はないためです。
位牌処分はどこへお願いすれば良い?
位牌の処分は、どのような方法を取るかによって依頼する場所が異なります。
お焚き上げを行う場合、寺院や仏具店、お焚き上げの代行業者、葬儀社などに依頼する必要があります。
永代供養を行う場合、寺院や霊園、仏具店などがあります。
まとめ
位牌は、四十九日まで使用される「白木位牌」と、長きに渡って仏壇に安置される「本位牌」の2種類があります。
素材や用途はいくつも存在するため、親族間で相談して決めると良いでしょう。
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