お墓の相続の注意点は?費用や手続き、よくあるトラブルを解説

2025-10-09

昔は親が亡くなると、そのお墓は長男が継ぐことが一般的でした。

現在も、その考えが残っていますが、お墓は必ずしも長男が継ぐものではありません。

では、お墓はどのような考え方やルールで継ぐ人が決まるのでしょうか?

この記事では、お墓の継ぎ方について「祭祀承継者の決め方」「お墓の相続に必要な費用と税金」「お墓の相続でよくあるトラブル」について解説します。

お墓は誰が継ぐべきなのか、お悩みの方の参考になれば幸いです。

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お墓の相続とは

まず「お墓の相続」とありますが、正しくはお墓は「承継」するものです。

そして、墓地、墓石を含めたお墓と仏壇、仏具などを「祭祀財産」と呼び、これらを承継する人を「祭祀承継者」と呼びます。

これらの祭祀財産は金銭や土地などと異なり、遺産相続の対象とならず、祭祀承継者が1人ですべて引き継ぎます。

これは「系譜、祭具及び墳墓の所有権」を民法897条で定めているためです。

また、祭祀承継者と法定相続人は同一人物である必要はありません。

祭祀承継者の決め方

祭祀承継者は被相続人の意思が重視されます。

次の祭祀承継者を被相続人が指名していた場合、その人が祭祀承継者を引き継ぎます。

指定方法は特に決まりがないため、生前に口頭で伝える、書面を残すなど、どちらでも問題ありませんが、後のトラブルを回避するためにも書面で残した方が良いでしょう。

以前は、長男がお墓を承継することが一般的でしたが、祭祀財産は必ずしも長男が承継する必要はなく、承継者は親族以外でも問題ありません。

これは民法897条にも定められています。

しかし、子供や親族以外が祭祀財産を承継するのはトラブルになりかねないため、親族以外を祭祀承継者に指名する場合は生前に親族に伝えて同意を得る必要があります。

家族内や地域の慣習に従って決める

一般的に、被相続人の指名がなかった場合、家族や地域の慣習に従って、祭祀承継者を決めます。

長男が承継することを重視する地域もありますし、霊園やお寺の中には、祭祀財産の承継者を3親等以内の親族と定めている場合もあります。

祭祀承継者を誰にするかは身内の問題ではありますが、慣習が強く残る地域で独断で決めると後々のトラブルに発展する恐れがあります。

慣習に従うことに問題がなければ、対象者の中から祭祀承継者を選びましょう。

家庭裁判所に申し立てる

被相続人の指定、慣習に従った祭祀承継者の選び方もなく、家族間で誰が承継すべきか決まらない場合は、家庭裁判所に祭祀承継者の指定を申し立てます。

裁判所は被相続人との関係性、祭祀承継者となる者の職業、意思、維持管理能力など、さまざまな観点から総合的に判断して、祭祀承継者を指名します。

法律では、祭祀承継者は1人と定められていないため、状況によって複数人を祭祀承継者として指定し、共同で承継することを求められる場合もあります。

祭祀承継者の役割と権利

祭祀承継者の役割と権利は以下の通りです。

お墓の維持管理と法要を主宰する

祭祀承継者は承継したお墓を管理して、親族がお参りできる環境を維持する役割を担います。

お寺へのお布施や、霊園への管理料などの支払いも祭祀承継者の役割です。

このほかにお盆お彼岸、一周忌などの法要を主宰し、親族を取りまとめることも祭祀承継者の仕事です。

菩提寺があれば、菩提寺の住職に法要を依頼し、日程の調整などもすべて行います。

法要を主宰することは祭祀承継者の重要な仕事ですが、決定権は祭祀承継者にあるため、法要を行わなくても法的には問題ありません。

しかし、法要を行わないと親族間でトラブルに発展する恐れがあるため、執り行わない場合は親族間で事前に話し合いましょう。

遺骨の分骨・移動するには祭祀承継者が必要

遺骨の所有権も祭祀承継者にあります。

分骨・改葬を希望する場合は、祭祀承継者の同意が必要です。

祭祀承継者から分骨・改葬の同意が得られず、無断で行った場合は、刑法第191条「墳墓発掘死体損壊等」に抵触する恐れがあり、処罰を受ける可能性があります。

祭祀財産をどのように取り扱うかは、承継者である祭祀承継者の判断に委ねられています。

墓じまいなどの権限も祭祀承継者にあるため、同意を得なければいけません。

お墓の相続手続き

祭祀承継者が決まったら、お墓を管理するお寺や霊園へ祭祀承継者が連絡して、名義人変更の手続きを行う必要があります。

名義人変更に必要とされる書類は以下の通りです。

  • 墓地使用許可証や永代使用承諾証など
  • 被相続人の死亡を証明する戸籍謄本
  • 祭祀承継者の戸籍謄本や住民票、印鑑登録証明書
  • 遺言書や親族の同意書など、祭祀承継者であることを証明する書類(必要な場合)

一般的に上記の4つの書類が、お墓を承継するために必要な書類ですが、お寺や霊園によって、必要書類が異なる場合や、このほかの書類が求められる場合もあります。

手続きに必要な書類については、名義人変更の連絡をした際にお寺や霊園に確認してください。

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お墓の相続に必要な費用と税金

お墓の承継に必要な費用と税金について解説します。

お墓の名義変更の手数料

お墓の名義変更にかかる手数料は、運営形態によって異なります。手数料の目安を紹介します。

公営墓地

公営墓地は自治体などが運営していることもあり、手数料は数百円から数千円ほどです。

東京都を例に挙げると都立霊園の手数料は1,600円、このほかに郵送料として450円分の切手が必要です。

民営墓地

民間が運営する民間墓地は公営墓地よりも手数料は高い場合が多く、数千円から高くて1万円前後かかる場合があります。

寺院墓地

お寺の場合、手数料と合わせてお布施を包む場合があります。

手数料とお布施はお寺ごとに決めることなので、相場と呼べるものがありません。

菩提寺の場合、お寺との関係によって金額が変動する場合があります。

金額がわからない場合は住職に確認しましょう。

お墓の維持費

お寺や霊園へのお礼または費用は年間、2,000円〜20,000円ほどと言われています。

これは墓地全体の清掃、水道料金など設備にかかる維持費、ひしゃくや手桶などお参りに必要な道具の手入れ、霊園の場合、送迎バスの運航費などがあります。

このような設備の維持費は、お寺の方が安くなる傾向がありますが、お寺の場合、檀家としてお布施をお渡しする必要があります。

お布施はお寺との関係によっても変動するため、事前に確認しておくと安心です。

お墓の相続税は?

お墓や仏壇、仏像などは「祭祀財産」に該当します。祭祀財産は相続税の対象外となるため、課税されません。

墓石がある墓地も非課税です。

ただし、仏像を投資目的で所有している場合は課税対象と判断されます。

相続税は被相続人の全財産に対して課税・非課税を区分して計算され、基礎控除額を超えるかどうかで納税の有無が決まります。

お墓自体に税金はかかりませんが、ほかの財産次第で相続税が発生する場合があるため、財産全体を把握して判断することが重要です。

お墓の相続でよくあるトラブル

お墓の承継する際によくあるトラブルと、その対処法について解説します。

兄弟間で誰がお墓を相続するかで揉める

「兄弟の誰がお墓を継ぐのか」はよくあるトラブルです。

祭祀承継者は被相続人の子供や血縁者以外でも可能ですが、一般的には子供が継ぐことが多く、長男が継ぐべき、お墓に近い場所に住む兄弟が継ぐべきなどで揉めることは珍しくありません。

祭祀承継者を1人決めて、ほかの親族が協力してお墓を維持することが理想ですが、継ぎたい人が誰もいない場合などは家族や親族で話し合い、墓じまいや永代供養を検討することも必要です。

お墓の相続が遺産相続に影響する

お墓は祭祀財産なので相続税の対象外となるため、法的には遺産相続に影響することはありません。

しかし、祭祀承継者がお墓の維持管理に費用がかかることを理由に遺産相続で、自身の取り分を多めに求めることがあります。

このようなトラブルを回避するには、相続の話し合いの初期段階から祭祀承継者の経済的負担を考慮した配分を明確にすることで、後になって取り分で揉めることを回避できます。

お墓は相続放棄できる?

お墓や仏壇などの祭祀財産は法律上、相続財産と区別されており、相続放棄の対象にはなりません。

そのため、相続放棄をした場合でも、祭祀財産だけ承継することは認められています。

また、遺産は相続して、祭祀財産を放棄することは認められていません。

お墓の承継を希望しない場合は墓じまいや永代供養を選ぶ必要がありますが、お墓は祭祀承継者だけではなく、家族・親族の問題でもあります。

墓じまいや永代供養にする場合は、事前に家族や親族と話し合い同意を得たうえで行いましょう。

まとめ

お墓などの「祭祀財産」を継ぐ「祭祀承継者」は遺言があれば、それに従い、ない場合は家族や親族と話し合って決めましょう。

大切なのは故人やご先祖様を敬い、冥福を祈る気持ちです。

祭祀承継者の決め方や必要な手続きについて、本記事が参考になれば幸いです。

関内陵苑では、故人やご先祖様を供養する納骨堂があります。

利用期限がないため、永代供養の場としてご利用いただけます。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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