お墓の購入~流れや注意点、補助金制度について徹底解説~

お墓の購入は人生で数少ない大きな決断です。どのようなお墓を建てるか、どこに建てるか、誰に依頼するかなど、多くの選択肢のなかから最適な決断をするためには、正しい知識と計画が必要です。
本記事では、お墓選びの流れから注意点、費用面の工夫、信頼できる業者の見分け方まで、後悔しないお墓購入のポイントを詳しく解説します。
お墓を購入する流れ
お墓の購入で後悔しないためには、計画から完成までの流れを理解しておくことが大切です。まずは、お墓を購入する流れを解説します。
どんなお墓を建てるか考える
お墓購入の第一歩は、どのようなお墓を建てたいかをイメージすることから始まります。一般的な和型のお墓だけでなく、洋型や庭園型の樹木葬など、現代ではさまざまな種類のお墓があります。
和型は縦長で伝統的な形状、洋型は高さが低く横長のデザインが特徴です。この段階では、家族と十分に話し合い、予算を立てることも重要です。墓石の種類やデザイン、霊園の場所など具体的な希望を整理しましょう。予算と理想のお墓のバランスを考えながら、具体的なイメージを固めていきます。
墓地を探す
お墓のイメージが固まったら、次は墓地・霊園を探します。インターネットやチラシなどで情報を集め、気になる墓地には資料請求をしましょう。この時、宗教や宗派の制限がないか、交通アクセスは良いか、将来的に管理しやすい場所かなどを考慮します。
また、地盤の安定性や周辺環境、洪水リスクなども確認すべきポイントです。複数の墓地・霊園の情報を集めて比較検討することで、自分たちに最適な場所を見つけられます。
なお、室内型の納骨堂ならば、天候に左右されず快適にお参りできます。掃除や管理も施設側が行うため、利用者の負担が少ないのが特徴です。また、駅近などアクセスの良い立地が多く、高齢の方でも通いやすい点も魅力です。
墓地を見学する
資料だけでは分からない実際の雰囲気や環境を確認するために、候補に挙げた墓地を実際に見学しましょう。見学時には、交通の便や周辺環境、日当たりや風通し、水場や駐車場の有無など、実際にお墓参りをする際の利便性をチェックします。
また、管理状況や清掃の行き届き具合も重要なポイントです。法要施設の充実度や手桶などのお参り設備、バリアフリー対応の有無も確認しておくと良いでしょう。高齢になっても訪れやすいかという視点も忘れないようにします。
墓地を契約する
墓地を決めたら、契約手続きに入ります。この段階では、永代使用料や管理費などの費用を確認し、支払い方法や契約内容をしっかり理解することが大切です。また、墓地の使用規則や将来の継承者について確認しておくことも重要です。
契約書には永代使用権の内容が記載されていますので、よく読んで疑問点は解消しておきましょう。契約後は区画の予約が完了し、永代使用権利者となります。
墓石のデザイン等を決める
墓地の契約が済んだら、墓石のデザインを決めていきます。和墓(三段墓)や洋型など、デザインによって印象や費用が大きく変わります。また、使用する石材の種類や色、硬度、模様なども選びます。
墓石に刻む家名や文字のデザインも重要な要素です。最近では墓石に絵柄や彫刻を入れるケースも増えており、バラや桜などの植物、蝶や鳥などの生き物をモチーフにしたデザインも人気です。この段階では、予算内で満足できるデザインを見つけることがポイントになります。
石材店で墓石を相見積もりする
墓石のデザインが決まったら、複数の石材店から見積もりを取りましょう。墓地によっては提携している石材店が決まっている場合もありますが、複数の業者から見積もりを取ることで、適正な価格で質の良い墓石を手に入れることができます。
同じ墓石でも石材店によって数十万円の価格差が生じることもあります。見積もりの際は、墓石の材質や工事内容、アフターサービスの内容なども詳しく確認しましょう。
お墓の費用相場については、次の記事でも解説しています。
石材店を選び、墓石を注文する
相見積もりの結果を比較検討し、信頼できる石材店を選びます。価格だけでなく、施工実績やアフターサービス、担当者の対応なども判断材料にしましょう。石材店を決めたら、契約を交わし墓石を注文します。
このときに工期や完成予定日、支払い条件なども確認しておくことが大切です。墓石に彫刻する文字やお墓の完成・引き渡し日を決めて契約を締結します。
お墓を建てる
最後に墓石の施工工事が行われます。基礎工事から始まり、墓石の据え付け、文字の彫刻などの工程を経て、お墓が完成します。工事の進捗状況を確認しながら、完成したお墓に問題がないかチェックしましょう。
完成後は納骨式を行い、故人をお墓に迎える準備が整います。お墓の購入から完成までは一般的に3〜6ヵ月程度かかるため、納骨式のスケジュールに合わせて計画的に進めることが大切です。
お墓の建立について、次の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
お墓を購入する時の注意点
お墓を建てると、あとから変更することが難しいものです。購入前にしっかりと注意点を押さえておくことで、将来にわたって満足できるお墓選びができます。
お墓の立地環境やアクセス状況を確認する
お墓選びで最も重要なポイントの一つが立地環境です。パンフレットだけではわからない実際の環境を、必ず現地で確認しましょう。具体的には、交通アクセスの良さ、駐車場の有無、霊園内の歩きやすさなどをチェックします。
特に高齢になったときのことを考え、公共交通機関でも訪れやすいか、急な坂道はないかなどを確認することが大切です。また、幹線道路沿いや繁華街に近い場所では、お彼岸やお盆などの時期に交通渋滞に巻き込まれる可能性もあります。
お墓の値段がどのように決まるのか把握する
お墓の値段は主に「石材の使用量」「お墓の広さ」「石材の種類」「墓地の工事のしやすさ」によって決まります。価格を抑えたい場合は、小さめのお墓にしたり、国産ではなく外国産の石材を選んだりする方法があります。
また、墓石や年間管理料には消費税がかかるため、税込み金額で予算を立てることも重要です。値段の内訳をしっかり理解し、予算に合ったお墓を選びましょう。
購入するのに相応しい時期はいつか確認する
お墓の購入時期については、納骨のスケジュールに合わせて計画することが多いです。一般的には、故人の四十九日法要後に納骨式を行う流れですが、お墓がない場合は1周忌を目安にお墓を購入し、納骨するケースが多いようです。
また、先述のとおり、お墓の建立には数か月かかることもあるため、納骨予定日から逆算して計画を立てることが大切です。
お墓の購入後にかかる費用がある
お墓の購入費用だけでなく、購入後も継続的にかかる費用があることを理解しておきましょう。主な継続費用としては、墓地の年間管理費があります。これは墓地の清掃や共用施設の維持管理などに使われます。
また、お墓のメンテナンス費用も将来的に必要になることがあります。これらの継続費用も含めて総合的な予算を考えることが大切です。
お墓の維持費について、次の記事でも詳しく解説しています。あわせて確認してみましょう。
確定申告の時、お墓の購入費用は所得控除の対象にならないことに注意する
お墓の購入費用は、一般的に所得控除の対象にはなりません。墓地使用料は非課税ですが、墓石代や工事費は課税対象となります。
ただし、生前にお墓を建てておくと相続税の対象にならないというメリットはあります。税金面での取り扱いについても事前に理解しておくことで、計画的な資金準備ができます。
参考:国税庁
お金はないけどお墓を購入したい!補助金制度はあるの?
お墓の購入は高額な費用がかかるため、経済的な負担が大きいと感じる方も多いでしょう。お墓を購入すると、墓石・永代使用料を含め、150万円以上の費用がかかることもあります。
亡くなった方が社会保険組合の加入者であれば、埋葬費が支給されるため、その分をお墓の購入費用に充てることもできるでしょう。ただし、お墓の購入費用に充当できる補助金制度を整えている自治体は非常に稀です。
費用を抑える別の方法としては、公営墓地の利用があります。公営墓地は自治体が運営しているため、民間の霊園に比べて比較的安価で利用できることが多いです。
また、従来の墓石型のお墓ではなく、樹木葬や納骨堂など、より低コストの供養方法を選ぶことも一つの選択肢です。これらは一般的なお墓よりも費用が抑えられるだけでなく、管理の手間も省けるというメリットがあります。
信頼できる業者の見分け方は?
お墓を購入する際には、信頼できる業者選びが大切です。適切な業者選びは、将来のトラブルを防ぎ、長期にわたって満足できるお墓づくりにつながります。
見積りや契約書が詳しく、分かりやすいかどうか
信頼できる業者の特徴は、見積もりや契約書の内容が明瞭で分かりやすいことです。見積もりには、墓石の材質や寸法、工事内容、各項目の費用が詳細に記載されているかを確認しましょう。
また、追加料金の可能性がある項目についても、その条件や金額が明記されているかもチェックポイントです。契約書においては、キャンセル料に関する記載も確認してください。信頼できる業者は、キャンセル料が無料である旨を明記していることが多いです。
相談をした時に適切なアドバイスをくれるかどうか
信頼できる業者は、単に商品を売ろうとするのではなく、購入者の状況を理解し、最適な選択をサポートしてくれます。お墓に関する知識や経験を活かし、家族構成や予算、将来の管理のことなど、さまざまな観点からアドバイスを提供してくれるかどうかを見極めましょう。
ときには、お墓以外の供養方法を提案するなど、客観的で有益なアドバイスをくれる業者は信頼できるといえます。
施工後のアフターフォローが手厚いか
お墓は購入して終わりではなく、長期にわたって維持管理していくものです。そのため、施工後のサポート体制が充実しているかどうかもポイントです。定期的な点検や清掃、補修などのサービスを無料または低価格で提供してくれるか、緊急時の対応はどうなっているかなど、アフターサービスの内容と費用について確認しましょう。
施工実績が豊富で、長年にわたって営業している業者は、アフターフォローも充実している可能性が高いです。口コミや評判も参考にしながら、長期的な信頼関係を築ける業者を選ぶことが大切です。
まとめ
お墓の購入は、計画から完成まで多くの検討事項があります。本記事では、お墓の種類選びから墓石の施工まで、後悔しないための流れを解説しました。信頼できる業者選びも納得できるお墓の購入には大事なポイントです。
横浜市中区にある関内陵苑は、JR関内駅から徒歩5分の好立地にあり、7階建ての施設内には法要や葬儀のための設備が完備されています。火葬以外のすべてを施設内で行うことができ、宗教・宗派を問わずご利用いただけます。
お墓の購入だけではなく納骨堂も検討している方は、お気軽にお問い合わせください。