墓じまいとは?〜手続きは?しないとどうなる?徹底解説します!~

2025-06-17

「墓じまい」は、お墓のあり方を見直す大切な選択です。少子高齢化や核家族化、地方の過疎化、そして供養に対する価値観の多様化が進むなかで、お墓の維持管理に困難を感じる方が増えています。

 

本記事では、墓じまいと改葬の違いから、墓じまいが増加している背景、手続きの流れ、そしてよくある疑問まで解説します。ご先祖様への感謝の気持ちを大切にしながら、ご自身の状況に合った供養の形を見つけましょう。

墓じまいとは

近年の生活変化の影響もあり、お墓をめぐる状況が変化するなかで「墓じまい」が注目されています。これはご先祖様の供養のあり方を見直す行動です。

墓じまいと改葬の違いは?

墓じまいとは、今あるお墓を撤去・解体し、更地にして、使用権を返すことです。これに対し、改葬(かいそう)とは、遺骨を別の場所に移すことです。墓じまいを行う際には、取り出したご遺骨を別の場所へ移す改葬が同時に行われるのが一般的です。

墓じまいが増加している理由は?

現在、墓じまいを選択する方が増えています。背景には、少子高齢化、核家族化、地方の過疎化、価値観の多様化など、現代社会の変化が挙げられます。

少子高齢化、核家族化

墓じまいが増えている理由の一つに、少子高齢化や核家族化の進行があります。お墓を守る跡継ぎがいない、または子どもが遠方で管理を頼めない状況が増えています。親が子どもに負担をかけたくないと考え、自分の代で墓じまいを選ぶ方もいます。

地方の過疎化

都市部への人口集中による地方の過疎化も墓じまいの要因です。お墓が遠方で管理が難しく、自身が高齢になり負担になる問題が生じています。現在の住まいの近くに移したい、維持管理の負担が少ない供養方法を選びたい思いから、墓じまいを決断する方が増えています。

お墓に対する価値観の多様化

個人の価値観が多様化し、従来の代々受け継ぐ考え方だけでなく、樹木葬や納骨堂など多様な供養の形が選べます。承継を前提としないものが多く、子孫に負担をかけない考えが広まったことも一因です。無縁墓が社会問題化し、将来の無縁墓化への危機感も行動につながっています。

墓じまいをしないとどうなる?

管理や承継が難しくなったお墓を放置すると、無縁墓として扱われる可能性があります。無縁墓は継承者が途絶え、管理する人がいないお墓です。

 

一度合祀されると、個別の遺骨を取り出すことはできません。管理費滞納分や撤去費用を家族や身内に請求されるケースもあります。不安を感じる場合は、元気なうちに墓じまいを検討することが大切です。

墓じまいの手続き

墓じまいを行うには、いくつかのステップがあります。これらの手続きを事前に把握し、計画的に進めることで、スムーズな墓じまいにつながります。

親族と話し合い、了承を得る

墓じまいするにあたり、まずは親族との話し合いが必要です。お墓は家族や親族にとって大切なものであり、独断はトラブルの原因となります。

 

墓じまいの理由、遺骨の新たな供養方法、費用と分担について丁寧に説明し、全員の納得と同意を得ることが不可欠です。話し合いの内容を書面に残すと、後のトラブル防止に有効です。

手続きに必要な書類を自治体のホームページで確認する

墓じまいには法的手続きが伴い、お墓のある自治体への申請が必須です。手続きや必要書類は自治体ごとに異なるため、まず該当自治体のホームページで確認します。申請書類をダウンロードできることもあるので、よく確認しましょう。自治体による墓じまい費用への助成金制度の有無も併せて確認しましょう。

現在の墓地管理者に相談する

親族の同意を得て新しい供養先の検討を始めたら、現在の墓地管理者に墓じまいの意向を伝えます。墓地管理者から遺骨の「埋葬証明書(納骨証明書)」が必要か否かを確認し、改葬許可申請書に署名・捺印をもらいます。

 

寺院墓地の場合は住職、公営・民間霊園の場合は管理事務所が管理者です。これまでの感謝と共に、墓じまいの事情を丁寧に伝えましょう。特に寺院墓地では離檀料が発生する場合もあるため、事前に十分話し合い、理解を得て手続きを進めることがトラブル防止に繋がります。

新しい供養先を決める

取り出した遺骨の新たな納め先を決定します。選択肢には別の一般墓、永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨、手元供養などの方法があります。自分の希望や家族の状況を考慮し、後悔のない選択をしましょう。

 

なお、外墓地から室内式の納骨堂に納骨する際は、遺骨の乾燥に時間がかかるため、ご注意ください。

 

新しい供養先が決まったら、管理者から遺骨の「受入証明書」を発行してもらいます。自治体により受入証明書が不要な場合もあります。

墓石の解体・撤去を依頼する石材店を決める

墓じまいでは、墓石を解体・撤去し、敷地を更地にする作業が伴います。個人での作業は困難なため、石材店などの専門業者に依頼するのが一般的です。寺院、霊園より指定の業者がある場合があります。独断で業者を設定するのは禁物です。

改葬許可申請書を作成し、役所で手続きをする

墓じまいには、お墓のある自治体発行の「改葬許可証」取得が法律で義務付けられています。この許可証なしに遺骨移動や墓石撤去はできません。手続きには、自治体窓口やホームページで入手可能な「改葬許可申請書」が必要です。

 

申請書に必要事項を記入し、現墓地管理者の埋蔵証明(または署名・捺印)と、新供養先の受入証明書(必要な場合)を添え、お墓のある自治体役場へ提出します。申請書は原則遺骨1体につき1通ですが、複数まとめて申請できる様式もあります。墓地の名義人と申請者が異なる場合は名義人の承諾書も必要です。

閉眼供養を行い、遺骨を取り出す

墓石解体・撤去前に、納められた遺骨を取り出します。その際、仏式では「閉眼供養(へいげんくよう)」を行います。これは墓に宿る魂を抜き、単なる石に戻す儀式で、「魂抜き」とも呼ばれます。

 

閉眼供養は、閉眼供養は菩提寺に依頼する必要がありますが、確実に菩提寺がないのであれば他の寺院に相談してみましょう。

墓石を解体・撤去してもらう

閉眼供養と遺骨を取り出した後、石材店に墓石の解体・撤去を依頼します。墓石に加え基礎部分も撤去し、更地に戻すのが原則です。作業中は立ち会って確認することも可能です。費用はお墓の規模、場所、使用機材で変動するため、複数業者からの事前見積もりで費用を把握しましょう。先述のとおり、菩提寺の住職から業者が指定されることもあるため、まずは住職に確認を取ってみてください。

 

お墓の撤去については、次の記事でも解説しているのであわせて確認してみてください。

新しい受け入れ先に納骨する

墓石解体・撤去、墓地返還後、取り出した遺骨を新しい供養先に納めます。遺骨を新供養先へ運ぶ際は、骨壺の破損に注意し慎重に扱います。車やタクシーのほか、公共交通機関利用時は周囲への配慮が必要です。

 

納骨については、次の記事でも解説しています。あわせて確認して、注意事項などを見てみましょう。

飛行機利用時は航空会社の規定を確認してください。新しいお墓に納骨する際は、開眼供養(魂入れ)を行うこともあります。

墓じまいについてよくある質問

墓じまいは多くの方が初めて経験するため、さまざまな疑問や不安が生じるのは自然なことです。ここでは、墓じまいを検討する方がよく抱える疑問について解説します。

墓じまいをするお金がないときどうしたらいい?補助金制度はあるの?

墓じまいには墓石の撤去費用や新しい供養先への納骨費用など、まとまった費用がかかります。費用相場は改葬先により数十万円から数百万円と幅広いです。

 

費用捻出が難しい場合、自治体によっては無縁墓対策等を目的とした補助金制度を設けていることがあります。ただし、申請期間が決まっている場合もあるため、最新情報を確認することが重要です。費用については親族間で十分に話し合い、負担方法を決めておくことも大切です。

 

墓じまいの費用については、次の記事でも解説しているので、確認してみましょう。

墓じまいにおける永代供養とは?

墓じまい後の遺骨の供養方法として永代供養が広く選ばれています。これは遺族に代わり寺院や霊園が遺骨を永代にわたって管理・供養する形式で、お墓の承継者がいなくても安心です。

 

ほかには他者の遺骨と一緒に埋葬される合祀墓や、一定期間個別に保管される納骨堂などがあります。「永代」といっても、多くの場合、三十三回忌など一定期間を過ぎると他の遺骨と合祀される点に注意が必要です。

墓じまいをするときの注意点は?

円滑な墓じまいのためにはいくつかの注意点があります。最も重要なのは、必ず親族全員と事前に十分話し合い、同意を得ておくことです。独断は深刻な親族トラブルに発展するリスクがあります。

菩提寺などお墓の管理者には、これまでの感謝の気持ちと墓じまいをする理由を丁寧に伝え、理解を得ることが大切です。離檀料を巡るトラブル回避のためにも真摯な対応が求められます。

墓じまいをした遺骨はどうする?

墓じまいで取り出したご遺骨は、法律に基づき適切に扱う必要があり、勝手な処分や公共の場所に放置することは法律違反となります。そのため多くの場合、遺骨は新しい場所に移して供養されます。

 

複数の遺骨がある場合は、費用や希望に応じ、一部を合祀し、思い出深い故人の遺骨は個別に供養するなど分けることも可能です。どの方法を選ぶかは、家族がお参りを続けたいかなど希望を話し合って決めることが大切です。

まとめ

墓じまいを検討する際は、親族との話し合いから始まり、自治体や墓地管理者との連携、そして新たな供養先の決定と手続きまで、多岐にわたるステップがあります。

 

費用や補助金制度の確認、永代供養の選択肢など、事前に把握しておくべき点も少なくありません。

 

関内陵苑では、永代供養墓もご用意しており、未来にわたって安心してご供養いただける環境を提供しています。お墓の承継に不安を感じる方や、新たな供養の形をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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